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民進党代表選に立候補した前原誠司元外相(55)と枝野幸男前幹事長(53)は21日午後、党本部でそろって記者会見した。次期衆院選での共産党を含む野党選挙協力について、前原氏は「衆院選は政権選択の選挙。理念、政策が合わないところと協力するのはおかしい」と重ねて表明。枝野氏は「わが党の主体性を持ちながら、できることを最大限やる」と述べ、昨年7月の参院選で構築した野党4党の協力を維持する考えを示した。

(引用:毎日新聞より)

ということで、蓮舫前代表の辞任を受けて民進党代表選が告示され、本格的にスタートしましたね。

野党第一党として、グラついた基盤をしっかりと立て直すことができるのか?注目されるところですが、新聞やテレビをはじめとする各メディアとも、今一つ盛り上がりに欠けているように思います。我が国の今後を占う重要なことなのだけど。。。

前原と枝野、それぞれの考えの相違点は?

今回の民進党代表選に立候補したのは、前原誠司元外相と枝野幸男前幹事長。一番の争点となっているのが、「打倒・安倍一強」そのためにどのような対策で望むのか?というところです。

前回の参議院選挙では、民進党は共産党を含む野党選挙協力で選挙に臨み、野党全体としてわずかだけど議席を伸ばすことが出来た。が、この選挙戦略に対しては、民進党内でも賛否両論、「共産党のように政策や理念が異なるところと手を組むのはおかしい」など、不満の声も上がっていた。

今回の代表選では、前原氏は「野党選挙協力を見直す。」考えを表明している。対する枝野氏は、「現状の選挙協力体制を維持する。」と考えを示している。

この選挙協力による戦略だけど、小選挙区で一議席を獲得するために、同一選挙区での共倒れを防ぐにはある程度効果はあると思うが、比例における議席獲得に対しては、何ら対策にはなっていないように思えるのだが、もっと抜本的な対策が必要なのでは?

長い目で見た前原氏か?目先の枝野氏か?

また、今後の民進党の選挙対策として注目するトコがもう一つありますね?

小池都知事の側近、都知事選そして都議会選と共に協力してきた若狭衆議院員が立ち上げた政治塾「日本ファーストの会」

こことの連携も気になるところですが、候補者のそれぞれの考え方にも違いが出ています。

枝野氏は「自民党の補完勢力の可能性が高い。」としていて否定的な感がある。一方、前原氏はというと「理念、政策が示されたときに判断したい。」と、決して否定的とは言えないコメントをしている。

今の民進党は大政奉還前の江戸幕府?

一部から聞こえてくる「今の民進党は大政奉還前の江戸幕府」、という例え。

となると・・・、今回の民進党代表選挙は「第十五代将軍」を選ぶ選挙ということになりますね。結構うまいこと言い当ててるなぁって思ったりもしています。

先の都議選の前後、民進党からは数人の離党者が出ています。その中には、長島昭久元防衛副大臣など有能な議員も含まれていて、最近では細野豪志元民主党幹事長も離党を表明した。長島さんは小池都知事らと歩調を合わせるような動きをしているし、細野さんも離党後に、「日本ファーストの会」代表の若狭衆議院議員と会合を設け、それぞれの考えや政策等の確認をし始めているし・・・。

「日本ファーストの会」は、国政政党設立の為のステップとなる政治塾。野党再編の足音は、間違いなくすぐそこまで聞こえてきています。まるで明治維新の波が押し寄せるがごとく?

前原さん、枝野さんの何れが代表になっても、その結果を受けて離党者はまだまだ出そうな気が・・・。このように、離党者に歯止めがかからない状態を、最近では「離党ドミノ」って言ったりしますよね。どちらが勝ったとしても、離党ドミノを阻止することが代表選後の大きな課題になるかもしれませんね?

代表選後、やらなきゃいけないこと山ほどあると思いますが、まず最初にすることが、離党ドミノ阻止とは・・・、皮肉なもんです。とにかく大政奉還前の第十五代将軍にはなって欲しくないですね。可哀相過ぎます。。。

民進党のみらい

今回の代表選、マスコミの対応(聞き方)のまずさもあると思うけど、前原氏にしても枝野氏共に、民進党の、そして我が国の未来(夢)を語る場面がない。夢でもいいから語って欲しいものですけどね。。。

今我が国は、安倍一強が久しく続いていて、集団自衛権をはじめとする安保法制を閣議決定で推し進めたり、共謀罪(組織的犯罪処罰法改正案)を説明不足(特に参議院にて)のまま採決したり、議員や大臣の不祥事に目をつぶったり、そして極めつけは「もりかけ問題」に関する総理自身の説明責任を果たさなかったり、とその傍若無人さが鼻につく。その対応の傲慢さに我々国民は安倍一強体制に「NO」を突き付けたい。が、それに代わる受け皿が無いのが現状。だから民進党さんには、野党第一党として頑張っていただきたい。その為にも第二自民党では何の意味もないわけで、しっかりとしたビジョン(政策)を打ち出して、我々国民に訴えて欲しい。

「日本ファーストの会」は間違いなく国政政党として出てくるだろうし、政界再編の波は大きく押し寄せるのは必至。今回の民進党代表選は「今一盛り上がりに欠ける」とマスコミは口を揃えて言うけれども、タイミング的にも結構重要な代表選だと思う。そう思わせないのは今回の候補者のお二人さんがそうさせているのか?

前原氏と枝野氏。どちらが選ばれるかわかりませんが、今のぐらぐらで不安定な民進党をしっかりと立て直して欲しい。いい意味で、「すべてはここから始まった」といつか言えるように。