遠い昔、はるか彼方の銀河系で・・・。

そして流れるテーマ曲。

慣れ親しんだ、お馴染みのオープニングだけど、なぜか心が躍る「スターウォーズ」はそんな映画。

2017年12月15日。世界同時公開された、シリーズ8作目「スターウォーズ/最後のジェダイ」、僕は公開日から一夜明けた16日の土曜日、仕事終わってレイトショーで見てきました。

総評? 僕的には、内容もりもりでおなかいっぱい。「面白い!シリーズ最高傑作なんじゃないか?」って思うわけで・・・。

レジスタンスの希望、“ルーク・スカイウォーカー”とレイの成長の物語(ネタバレ・あらすじ)

前作で、失踪したルーク・スカイウォーカーの居所を特定したレジスタンス。戦況は好転するかに思われたが、予想以上に動きの速い帝国軍に、共和国軍は防戦を余儀なくされていた。レイア・オーガナ将軍率いるレジスタンスの基地に、ハックス将軍が率いるファースト・オーダーの艦隊が急襲してきた。パイロットのポー・ダメロン中佐率いるレジスタンスの戦闘隊は、ファースト・オーダーのドレッドノート級のスター・デストロイヤーのキャノン砲破壊命令を受けるが、敵のタイファイターの攻撃により苦戦を強いられる。レジスタンスの爆撃機が次々に撃墜され残り一機になるも、なんとか爆弾を投下し撃沈することに成功する。その隙をついてレジスタンスの艦隊は、ハイパードライブでその場を離脱。しかしファースト・オーダーの艦隊は、彼らがどこへ離脱したのか補足していた。

辺境の惑星の孤島で、隠遁生活をしていた伝説のジェダイ・マスター、ルーク・スカイウォーカーの元を訪れたレイ。先の戦いで手に入れたルーク所有のライトセーバーを差し出すが、ルークはレイの目の前で捨て、「帰れ」と一喝。その後ハン・ソロの死を知るルークだが、レイに協力しようとはしない。ある日レイは、自分を呼ぶ声に導かれ、訪れた場所で謎の書物を発見する。レイの本当の目的を訪ねるルークに対して、レイは自分の中に目覚めた“フォース”のコントロールを指導してほしいことを告げるが、それでもルークは拒否し続けるのだった。ある日、ルークは一人でミレニアム・ファルコン号に乗り込んでいた。そこでルークはR2-D2と再会。R2はルークがジェダイになるきっかけとなった、オビ・ワンに助けを求めるレイア姫の昔のホログラム映像を見せ説得する。翌日の夜明けからレイの修行を開始する。

一方、スターキラー基地の戦いで、カイロ・レンに重傷を負わされ医療カプセルで眠っていたフィンが目覚める。ハイパードライブで逃げたレジスタンス。安心したのもつかの間、怒り狂ったファースト・オーダーのカイロ・レンが率いる大部隊が追跡してくる。ファースト・オーダーの艦隊の激しい攻撃によりレジスタンスの艦隊は一部損傷し、レイアはいったんは船外に放り出されるものの、自力(フォース)で船に戻るが、意識不明の重体になってしまう。指揮官を失ったレジスタンスだったが、レイアの代理人として、ホルド提督がレジスタンスの代理指揮官として就任する。エネルギーも少なくなったレジスタンスの船団は、抵抗せずに逃げる選択をする。それをカイロ・レン率いるファースト・オーダーの艦隊が追う。危機的状況の中で、フィンが、逃げても正確に追ってくるファースト・オーダーの索敵の仕組みをつきとめる。

修行を始めたレイとルーク。ルークはレイに星々に溢れる万物様々なものから、フォースを感じとることを伝え、レイは次第に感じ取ることが出来るようになる。レイに強いフォースの力を感じたルークは、ハン・ソロとレイアの息子である“ベン・ソロ(カイロ・レン)”に修行をつけていた時のことを思い出すようになる。そしてその思い出はルークにとってのトラウマでもあった。修行をかさねるレイにある変化が現れる。ある日を境に、突然フォースによってカイロ・レンを感じるようになる。

ファースト・オーダーの追跡から逃げるレジスタンスの船団では、フィンがつきとめたファースト・オーダーの索敵のシステムを破壊する作戦が練られていた。そしてフィンとローズがスター・デストロイヤーへの潜入する為のシールド解除の為に、ある人物を探しにギャンブルの星に潜入する。

ルークとベン(カイロ・レン)の確執は、ルークがベンにフォースの修行をしている昔にさかのぼる。ベンの強大なフォースに闇の部分を察知したルークが、ベンを抹殺しようとするが、ベンに気づかれ逆に、ルークもろとも建物を崩壊させ、弟子たちも見殺しにされてしまう。事情を知ったレイだが、彼女はベンとフォースを通じて理解し合えると信じており、レイは静止するルークを振りきり、ファルコン号でベンの居るファースト・オーダーの戦艦へと向かう。

失望したルークは、ジェダイの教えを説く古い書物の処分を考えるが、躊躇していた。そこにフォースで実体化した、ルークの師ヨーダが姿を現す。迷うルークを見かね、ヨーダは書物に雷を落とし焼き払う。そして「失敗を恐れるな」と伝える。

ギャンブルの星でフィンとローズは捕えられてしまうが、牢獄でDJという鍵破りに会う。そしてDJと共に脱獄。ギャンブルの星からハイパードライブで一気に脱出に成功する。

ルークのもとを離れたレイは、脱出ポッドを利用してカイロ・レンの乗船する戦艦に潜入するが、目の前のレンに捕えられてしまう。レンによってファースト・オーダーの影の指揮者である最高指導者“スノーク”の前へと連行されたレイは、暗黒面に身を投じ、ファースト・オーダーの同志となることをスノークに誘惑される。が、レイはそれを断る。業を煮やすスノークは強大なフォースの力でレイを責め立てる。その時、スノークの傍らにあったレイのライトセイバーがスノークの腹部に突き刺さった。そして突き刺さったセイバーは、胴体を真っ二つにしスノークは絶命する。それはカイロ・レンの謀反だった。レイとレンは共闘し、スノークの衛兵を撃破。レイはレンに、共にレジスタンスに帰還することを勧めるが、レンは自分と共に宇宙を支配しようともちかけ、二人は対立してしまう。

その頃、ハイパードライブを抜け、フィン達もファースト・オーダーの戦艦への侵入に成功していた。フィン達はDJの協力を得て、探知機のある場所に辿り着くが、フィンの元上官“キャプテン・ファズマ”に捉えられてしまう。

ファースト・オーダーの追跡が続く中、レジスタンスでは、母船の燃料を小型船に移して小型船での離脱を決める。それを知ったポーは、フィン達の作戦を無駄にさせないために、指令室を占拠しクーデターを起こす。しかし籠城もむなしく指令室は、レイア達によて爆破され、気を失ったポーは、小型船に乗せられ、母船からレイアと共に離脱する。レイアの代わりに指揮をとっていたホルド提督は、すべての小型船の離脱を見届けた後、戦線離脱の時間稼ぎの為、母船のハイパードライブの準備と共に、船首をファーストオーダーの艦隊へと向ける。そしてハイパードライブの加速をもってファースト・オーダーの戦艦へ特攻する。そして、離脱したレイアやポー達を乗せた小型船の船団は、かつてレジスタンスの基地として使われていた惑星を目指す。

ホルドの特攻によって爆発と炎に包まれた断末魔のファースト・オーダーの戦艦の中では、フィンがキャプテン・ファズマを倒し、ローズらと共に間一髪脱出に成功。そしてレイア達の小型船の船団に合流する。

惑星の基地に籠城を始めたレイア達は、防戦の体制を整えていた。一方ファースト・オーダー側では、カイロ・レンが死んだスノークを引き継いで艦隊の指揮をとり、レジスタンスの追跡を開始、籠城する基地へ向かう。そして圧倒的な戦力で包囲し、基地に攻撃を開始する。フィンやポーと共に、レジスタンスの兵士たちが防戦にあたるも、圧倒的な戦力の差は如何ともし難く、レジスタンスの戦力は消耗を強いられていく。厳しい戦況の中、そこにファルコン号に乗ったレイとチューバッカが現れ、レジスタンスは勢いづくが、それもつかの間、ファースト・オーダーは基地の隔壁を破壊するレーザー兵器が起動させる。それを阻止すべく、フィンが特攻を仕掛けるが、間一髪ローズがフィンを庇って割って入る。結果、兵器への阻止は失敗しレーザー兵器により基地の隔壁は破壊されてしまう。レイアをはじめフィンやポー達レジスタンスはなす術を失ってしまう。ファースト・オーダーがレジスタンスに攻め入ろうとしたその時、ルークが現れファースト・オーダーに立ち向かう。

ルークを目の前にしてカイロ・レンは逆上し、ルークに向けて一斉射撃を命じる。が、一斉放火が収まると、そこに立っていたのは無傷のルークだった。レンはルークと対峙しライトセイバーを振り下ろす。赤と青の火花が散るセイバーによるフォースのぶつかり合い、レンはルークを倒しレジスタンスも滅ぼすと言う。レンの怒りをはぐらかすが如く、ルークはライトセイバーを収め、レンに言い放つ。「新たなジェダイがいる。自分は最後のジェダイではない」と。怒りの頂点に達したレンは、ライトセイバーでルークを突き刺すが、ルークは無傷のまま立っていた。実はルークの実体はその場所になく、フォースによって作り出された虚体だった、ルークは自ら身を潜めていた辺境の惑星の孤島から、全身全霊を駆使したフォースでレンと闘っていたのだった。

ルークとレン、二人の対決を見ていたポーは、ルークが自分たちに対して時間を稼いでくれていることを悟り、破壊されるだけの基地から、何とか脱出することを進言、レイアも賛成し残存した部隊は基地の奥へと避難を始める。奥へ奥へと逃げるポー達だったが、土砂に遮られ先に進めず立ち往生してしまった。が、レイがフォースの力で土砂を宙に浮かせ、レジスタンスは脱出に成功する。レイは逃げ延びたレジスタンス達をファルコン号に乗せ惑星から脱出する。その刹那、レイとレイアはルークの死を実感する。レンとの戦いで全身全霊のフォースを使ったルークは、師のオビ=ワンやヨーダ同様にフォースと一体化したのだった。

ファースト・オーダーの追跡を振り切ったレジスタンス。多くの犠牲を払ったものの、レイたちは生き延び、彼らはファースト・オーダーと再び戦うために結束を強めるのだった。

「最後のジェダイ」は誰なのか?

本作品のサブタイトルにもなっている『最後のジェダイ』。ファンからは、「最後のジェダイって誰のこと?」という話題が持ち上がり、様々な憶測がとんでいました。が、そのことについてはライアン・ジョンソン監督がこう答えています。「複数の解釈ができるが、私たちの考えでは、最後のジェダイとはルークのこと」と・・・。

ですが、確かに見方によっては複数の解釈が可能です。

ジェダイの騎士は、ジェダイマスターの修行によってフォースの力を高めた者を指す。よって、フォース=ジェダイの方程式は成り立たない。ということは、カイロ・レンはこの時点では当てはまらないと僕は思っている。

まずは監督オシの“ルーク”だけど、カイロ・レンとの闘いにおいて、命を賭すほどの強力なフォースを使い、ヨーダやオビ=ワン同様、フォースと一体化してこの世から蒸発し、死んでいきます。この事実だけを見ればルークが“最後のジェダイ”となりますが、一旦はレイの師として、彼女にフォースの教えを説き鍛えています。そしてレンに向かって最後に、「新たなジェダイがいる。自分は最後のジェダイではない」と告げているのです。

ルークが指摘する「新たなジェダイ」とは・・・?、それは最後にジェダイの弟子とした“レイ”ということになる。修行は不十分だったが、レイの成長度の著しさ、フォースの力を一番知るのもルークだった。そしてルークがこの世を去る時に、レイは心を通わせていたレイとの交信を断ち切って、ルークに寄り添っていた。

本作だけで推測すれば、最後のジェダイは間違いなくルークだ。けど次回作を考えた場合、ルークの意思を継ぐ者は、レイということになるのでは? ルークの中では既にレイはジェダイとして認めていたのではないか。

それと、最後のジェダイとは関係無いかも知れないけれど、もう一人気になる人物が登場します。

それは、本作の最後・・・。フォースらしき力でホウキを引き寄せる少年が登場します。次回作に関係ある少年なのかどうかは不明だけど、気になります。

気になるキャラクターがいます

本作品には、ファンが騒ぐほどの“気になる新キャラ”が登場します。

予告編や特別映像にも登場する、そのキャラクターの名前はポーグ。ルークが隠遁生活を送っていた辺境惑星の孤島に生息する、ネズミと小鳥を足して二で割ったような風貌を持つクリーチャー。そのキュートな表情が愛くるしいと話題のようです。

『スターウォーズ・エピソードⅥ/ジェダイの帰還』に登場する“イウォーク”以来の愛されキャラの登場だ。イウォーク同様、ポーグも作中においてはコメディ部門請負キャラで、その愛らしいルックスだけでなく、コメディタッチなおとぼけを演じてくれています。

そんな可愛いポーグをチューバッカは・・・。

迷コンビの誕生かもしれません。

レイはジェダイを受け継ぐことが出来たのか

前作『フォースの覚醒』でレイは、自らの力(フォース)に戸惑い怯え、そんな中でカイロ・レンと対峙する。迷いながらも何とかカイロ・レンを斬りつけ難を逃れる。フォースを持て余すレイを見かねたレイアは、レイをルークのもとへ飛ぶように命じる。

レイはコントロールできないでいる自分のチカラ(フォース)に対して不安を抱いている。ルークのもとでジェダイの訓練を受けるが、カイロ・レンを闇から救い出そうと、訓練の途中でルークのもとを去ってしまう。レイはジェダイとしては不完全なのだろうけど、ルークはレイの持つ強力なフォースを感じていて、それを踏まえたうえでカイロ・レンに対して、「新たなジェダイがいる。自分は最後のジェダイではない」と語る。この言葉は、ある意味ルークがレイを認めた証だと思われる。また、レイもレイアと共に、ルークの死を感じ、最後はルークの意思に寄り添う。そして打倒ファースト・オーダーを誓う。

レイの成長と意思の変化。この部分が、次回作へと物語が続いていくには重要になると思われる。

『フォースの覚醒』でレイのフォースの目覚め。『最後のジェダイ』では、ジェダイマスター“ルーク”の最後と、それを受け継ぐレイの成長。そして次回作で、ダークサイド(暗黒面)との最終対決となるのではないかな?

お腹いっぱいの最高傑作だった

  • ルークとレイ
  • ルークとカイロ・レン
  • ルークとヨーダ
  • レイアとカイロ・レン
  • レイとカイロ・レン

『スターウォーズ/最後のジェダイ』では、ざっと少なく見積もっても上記の話が描かれている。例えれば“お節料理”のようなもので、観終わった後は「もう、お腹いっぱい」というのが正直な感想だ。『最後のジェダイ』は、ルークの次の世代に新しい希望を示す、新たな三部作の中間作品として十分以上の役割を果たしていると思う。

次回作では、間違いなく『レイとカイロ・レン』の物語が、どう決着するかがメインになることは間違いない。そして本作品を最後に惜しまれながら他界した、レイア役の“キャリー・フィッシャー”。次回作では絡むことが出来ないだけに、カイロ・レンとレイアの関係はどう処理されるのか?も見ものだ。

 

P.S. フィンって結構、今回のシリーズではお笑い担当的なキャラだと思うんだけど、皆さんはどう思いますかぁ?

カイロ・レンに受けた傷から目を覚ましたフィンが、治療スーツを着たまま、液を垂れ流しながら船内を彷徨う様は、思いっきり笑わせてもらいました。