Facebook
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ネット上のニュースで、ちょっと気ニナルコピー(見出し)を見つけたので、ピックアップして考えてみようかと思います。

Facebook、「SNSは民主主義に悪影響を与えることもある」と認める

「SNS⇔民主主義」の関係。一体どういうことなのか?

2016年米大統領選が発端?

米Facebookが、「SNSは時には民主主義に悪影響を与える」と認め、改善に努めると語った。

Facebookに対しては、2016年の米大統領選の結果に同サービスでの虚偽ニュースの拡散が大きく影響したという非難が続いており、当初は認めていなかったマーク・ザッカーバーグCEOが謝罪し、後にシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)も謝罪した。

引用:Facebook、「SNSは民主主義に悪影響を与えることもある」と認める(ITmedia NEWS)

事の発端は、2016年の米大統領選の際にSNSで拡散した虚偽ニュースあるようですね。

そういえば・・・、

  • 「ローマ法王が大統領選でトランプを支持!」
  • 「クリントンはレズビアンで、闇の小児性愛ネットワークの元締め」
  • 「クリントン氏の流出メール担当のFBI捜査官が無理心中」
  • 「テロリストがヒラリーの政治活動資金の20%を援助」
  • 「オバマ、不法移民にも投票を呼びかけ」

こんな感じのニュースが、拡散して話題になってたこと思い出しました。

バズフィードの分析では、大統領選前の3カ月間で拡散された大統領選関連の虚偽ニュースは、871万件以上のいいねやシェアの反応があった。一方、大手ニュースサイトでの大統領選関連のニュースは、737万件弱の反応にとどまった。ということで、いかにSNSでの反響が高いかが伺えますね。

フェイク(虚偽)ニュースの目的

これまたバズフィードによると、フェイク(虚偽)ニュースの発信元に多いのは、マケドニアらしい。マケドニアは近年、デジタルゴールドラッシュに沸くデジタル新興国。当時世界的に注目されていた米大統領選、その渦中にいたトランプ氏をネタにすることは、反響が桁外れに大きく、広告による収入も桁外れなのです。要するに、最も効率よくトラフィックを獲得できるのが、Facebook上でトランプ寄りかつショッキングな内容のニュースを発信することなのだろう。

一方、ワシントン・ポストがインタビューした38歳の「虚偽ニュースライター」によると、虚偽ニュースを取り巻く今の状況を数年前と比べると、「間違いなく今の人の方がバカだ。事実かどうか誰も確認せずにどんどん拡散する」と話したという。また、虚偽のニュースがトランプ氏の当選を手助けしたのではないかという意見をどう思うかと聞かれ、トランプ氏が当選したのは自分のおかげだ、と主張した。「トランプ氏の支持者は誰も事実確認しない」と指摘し、実際にこのライターがでっち上げたウソのニュースをトランプ氏の選挙運動責任者が取り上げたことを明かした。この虚偽ニュースライターはGoogleの広告収入システムであるアドセンスで月に約1万ドル(約112万円)稼ぎ出していたという。

引用:米大統領選にも影響? 嘘ニュースの脅威がアメリカで社会問題化(MAG2 NEWS)

完全に現在のSNS利用者を見下してます。彼からしてみれば事実なのだろう。そこに裏付けされるから貸せgているのだ。

SNS世界でのエコーチェンバーとフィルターバブル

米Facebookの市民的社会参画担当プロダクトマネジャーのサミ・チャクラバーティ氏は、「2016年、われわれは悪人がFacebookを悪用していることに気づくのがあまりにも遅かった。」と語っています。

虚偽ニュース、他国(ロシアなどの)からの干渉、政治的な嫌がらせ、不平等、エコーチェンバーの問題について語り、「これらの問題はまだ未開拓であり、われわれがすべての解決法を知っていると取り繕うつもりはない。だが、解決に向けて努力していくつもりだ」と説明した。

引用:Facebook、「SNSは民主主義に悪影響を与えることもある」と認める(ITmedia NEWS)

特にSNSという開かれている様で閉鎖された空間にとって、エコーチェンバーの問題は、無視の出来ない問題なのだろう。

エコーチェンバーは、“反響室とか残響室”と訳されるけど、SNSの世界においては、気の合う仲間だけと交流の中で、1つの考え方が(たとえ一般には間違っているとされるものでも)閉鎖された空間内で、相互に認め合い反響・増幅し、結果的に「これが正しい!」ということになっていくような現象です。民主主義に於いて、意見の多様性は不可欠で、それによってコミュニケーションが促進していくのに対し、エコーチェンバーは、Facebook で起きていることが示すように、むしろコミュニケーションを阻害する結果となったのかもしれない。

またエコーチェンバーの状況をつくるきっかけにもなる問題として、フィルターバブルと言うのがあります。フィルターバブルというのは、ざっくり説明すると、SNSや検索システムのアルゴリズムの発達で、ユーザーは自分の趣向にあったフィルタリングで提供された情報に囲まれる、いわば居心地のいいシャボン玉(バブル)の中にいる、ということです。

要するに、時と場合によってはフィルターバブルが、ユーザーの視野を狭くしてしまうということが起きるということなのか? 米大統領選ではメディアがことごとく予測を外しましたが、メディアのフィルターバブルが起因しているともいわれているようです。

「SNSが・・・」とか言うよりも結局は我々利用者の問題

米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは・・・、トランプ氏の当選はFacebookが虚偽のニュースを流したせいだとする非難に対し、「誰かが誰かに投票した唯一の理由が虚偽のニュースを見たことだと主張するなんて、エンパシー(共感能力)がないんじゃないですか? 本当にそう思うなら、今回の選挙でトランプ氏の支持者が届けようとしたメッセージを読み取れないでしょう」と語りました。

引用:トランプ勝利で浮かび上がるSNSの問題点(ITmedia PC USER)

ザッカーバーグは、FaceBookなどのSNS内でのフィルターバブルの問題を認めた上で、ユーザーは意に沿わないコンテンツをクリックしないと主張している。つまりFaceBook最大のフィルターは、ユーザーということだ。

一連のフェイクニュース拡散の渦中となったFacebookなどは、今後、広告規制などのフェイクニュース対策を明らかにしている。またユーザー側への対策として、各プラットフォームでフェイクニュースと思われるものを見かけた場合の報告方法などを手引きしている。

一方、ニュースの受け手(ユーザー)がどうすればフェイクニュース拡散に加担しないかも重要だ。ユーザー対策としてメディアからも、「発信元は聞いたことがあるところか」、「その報道は他でも公開されているのか」、「1つ以上の証拠があるか」などフェイクニュースを見破るポイントが発表されていたりします。

僕たちも、目にした面白いニュースを拡散する前に、果たしてそれが信頼できる情報源からのものなのか、シェアボタンを押すその手を一旦止めて確認する方がいいのかもしれませんね。