「ガチ全滅」のキーワードが飛び交い、衝撃のラストシーンが話題をよんだ『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。公開初週末3日間のオープニング興行収益が世界合計で6億4,050万ドル。全米では2億5,770万ドルを突破(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を超えて史上最高記録)。9月には早くもDVDが発売され、僕も早速購入して鑑賞。

でもこの作品、主役級の登場人物の多さや、目まぐるしく変わるシーン、そしてキーとなる“インフィニティ・ストーン”などなど、知識ゼロだと結構難解でもあって(実は僕がそれでした)。何々?と思いながら流れに任せて2時間半(上映時間)観ていても、極上のエンターテイメント作品なので、それはそれで楽しむことは出来るけど、ある程度知識を携えて観た方がより楽しめるに違いない。

そう思い、ネット上に散らばる情報を色々と調べてみることに・・・。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』へと続く18の作品

マーベル映画『アベンジャーズ』に関連する作品には、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)というシリーズとしてリリースされている。2008年の『アイアンマン』から始まったMCU作品だけど、現在は『アントマン&ワスプ』までの全20作品が製作されています。さらにMCUはいくつかの作品を時系列順に“フェーズ”としてまとめられていて、現在は“フェーズ3”が進行中。この後数作品リリースの後、“フェーズ4”に移行する予定らしい。

そしてMCU作品はその内容が様々な作品とクロスオーバーしているので、何作品か見逃すだけで登場するキャラクターに?マークがついてしまったり、ストーリーが追いづらくなってしまったりしてしまうのです。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は現行のMCU作品の集大成的作品なので、ストーリーをより理解するためには出来る限りMCU全作品を時系列に沿って観ることがオススメとなる。

ということで、全作品をフェーズで分類して時系列に紹介してみますね。

■フェーズ1(カッコ内は米国公開年月)

  1. 『アイアンマン』(2008,5)
  2. 『インクレディブル・ハルク』(2008,6)
  3. 『アイアンマン2』(2010,5)
  4. 『マイティ・ソー』(2011,5)
  5. 『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011,7)
  6. 『アベンジャーズ』(2012,5)

トニー・スターク(アイアンマン)、ブルース・バナー(ハルク)、ソー、スティーブ・ロジャー(キャプテン・アメリカ)、ナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ)、クリント・バートン(ホークアイ)というアベンジャーズの主要メンバーが登場し、『アベンジャーズ』へとつながるフェーズです。

<フェーズ1でのクロスオーバー>

  • キャプテン・アメリカの生みの親でトニーの父である敏腕科学者ハワード・スターク。
  • スティーブ(キャプテン・アメリカ)の上官でS.H.I.E.L.D.(シールド)創設に尽力したカーター。
  • 後にウィンターソルジャーとなりキャプテン・アメリカと敵対するスティーブの親友バッキー。
  • ハルクと敵対するロス将軍はトニーからの勧誘を受けS.H.I.E.L.D.(シールド)へ。
  • 『アベンジャーズ』ではちょい出でサノスも登場する。
  • 登場するインフィニティ・ストーン:スペース・ストーン(四次元キューブ)、マインド・ストーン(ロキの杖)

■フェーズ2(カッコ内は米国公開年月)

  1. 『アイアンマン3』(2013,5)
  2. 『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013,11)
  3. 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014,4)
  4. 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014,8)
  5. 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015,5)
  6. 『アントマン』(2015,7)

トニーの親友のジェームズ・“ローディ”・ローズ がウォーマシンとして、スティーブの友人サム・ウィルソン がファルコンとしてアベンジャーズに加入し、より強力なヒーロー集団になっていくが、滅んだと思われていた秘密結社ヒドラがS.H.I.E.L.D.(シールド)に潜伏、活動を再開しはじめ、アベンジャーズの屋台骨が揺らぎ始める中、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』へと繋がっていく。サノスの養女ガモーラがガーディアンズに加わることで今後のアベンジャーズとの関わりを示唆。

<フェーズ2でのクロスオーバー>

  • トニーが開発した最新鋭人工知能。“J.A.R.V.I.S.”にマインド・ストーンが合成され超人人工知能“ビジョン”へと生まれ変わる。
  • 敵の殺人兵器“ウィンター・ソルジャー”としてバッキーがスティーブの前に現れる。 ドクター・ストレンジが名前だけの登場を果たす。
  • 初代アントマンでスーツの開発者ハンク・ビムは元S.H.I.E.L.D.(シールド)エージェントでエージェント・カーターやハワード・スタークとは盟友。
  • スコット・ラング(アントマン)とファルコンがひと悶着。
  • 登場するインフィニティ・ストーン:リアリティー・ストーン、マインド・ストーン、パワー・ストーン

■フェーズ3(カッコ内は米国公開年月)

  1. 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016,5)
  2. 『ドクター・ストレンジ』(2017,11)
  3. 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:vol2(邦題:リミックス)』(2017,5)
  4. 『スパイダーマン/ホームカミング』(2017,7)
  5. 『マイティ・ソー/ラグナロク(邦題:バトルロイヤル)』(2017,11)
  6. 『ブラックパンサー』(2018,2)
  7. 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018,4)
  8. 『アントマン&ワスプ』(2018,7)
  9. 『キャプテン・マーベル』(2019,3公開予定)
  10. 『アベンジャーズ4/(タイトル未定)』(2019,5公開予定)

アベンジャーズを国連管理下に置く「ソコヴィア協定」をめぐって、トニー(アイアンマン)とスティーブ(キャプテン・アメリカ)が対立。さらにトニーの両親の死の真相(両親はウィンターソルジャーであるバッキーに暗殺された)を知ることで、彼らの絆は修復不能となってしまいアベンジャーズは解散状態に。結局関係の修復がされないままにサノスと対決することに・・・。一方アスガルドでは、オーディン(ソーの父親)の死後、幽閉が解かれたソーの姉、死の女神“ヘラ”に覇権を奪われ、そしてソーとロキが覇権奪還するが、結局アスガルドは滅亡してしまう。世界が不安定な中、インフィニティ・ストーンの争奪戦の末、いよいよサノスの大虐殺が始まる。

<フェーズ3でのクロスオーバー>

  • チームの前から姿を消したバナー(ハルク)は、何故か惑星サカールに流れ着いていて、そこでソーとバトルロイヤルで一戦交えることに。
  • サノスの口からDr.ストレンジの師匠であるエンシェント・ワンの名前が語られる(サノスは知っているらしい・・・)。
  • スパイダーマンのヴィランである悪徳武器商人エイドリアン・トゥームスはアベンジャーズにより壊滅したチタウリの残骸から武器を開発していた。
  • 消滅寸前にニック・フューリーはキャプテン。マーベルにコンタクトをとっていた。
  • 登場するインフィニティ・ストーン:スペース・ストーン、マインド・ストーン、リアリティ・ストーン、タイム・ストーン、パワー・ストーン、ソウル・ストーン

MCUの重要アイテム“インフィニティ・ストーン”

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を楽しむために、絶対に押さえておかなければならないのが、争奪戦が繰り広げられる“インフィニティー・ストーン”だ。凶悪ヴィランのサノスは、6つのインフィニティ・ストーンを集めて「全宇宙のバランスを保つ」という大義名分のもと「全人口の半分を消す」という野望を果たそうとする。どことなく“ドラゴンボール”のようでもある。

この“インフィニティ・ストーン”は、MCUの映画ではちょくちょくお目にかかるアイテム。「そういえば・・・、名前は覚えてないけど何か石が登場してたなぁ。」と思い返す方もいるかもしれませんね。

そもそも“インフィニティ・ストーン”とは? その概要は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に登場するコレクターによってはじめて説明された。そしておさらいも兼ねて『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の冒頭にでもドクター・ストレンジとウォンがトニーとブルースを相手に説明され、ストーンそれぞれの名称と能力も明かされている。

内容はざっとこんな感じ・・・。その昔、宇宙が誕生する以前より存在した6つの特異点が、ビッグバンの影響で、“空間(スペース)”・“精神(マインド)”・“現実(リアリティ)”・“時間(タイム)”・“力(パワー)”・“魂(ソウル)”という異なる6つの概念を司るエネルギーの結晶石へと変化した。そのエネルギーのパワーは計り知れず、全てを破壊するほどの力を秘めているらしい。

本編をより楽しむ為に、そんな個々のインフィニティ・ストーンをちょこっと掘り下げていきたい。

 

■スペース・ストーン(青)

外殻:テッセラクト(Tesseract)/四次元キューブ

所有経緯:①オーディン→①②トンスベルグの聖堂(ノルウェー)→②ヨハン・シュミット(レッドスカル)→ ②ハワード・スターク→③S.H.I.E.L.D.→③ロキ→③アスガルド→④⑤ロキ→⑤サノス

登場作品:①『マイティーソー』、②『キャプテンアメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』、③『アベンジャーズ』、④『マイティ・ソー/ラグナロク』、⑤『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』

テッセラクト(四次元キューブ)と呼ばれる立方体の中に納められた青色の石。空間を司り、宇宙のあらゆる場所へ移動することが可能。また他のストーンのパワーを遠く離れた場所に伝播させたりという応用力もある。

■マインド・ストーン(黄)

外殻:セプター (Scepter)/ロキの杖

所有経緯:①サノス→①ロキ→①②S.H.I.E.L.D.→②③バロン・ストラッカー(レッドスカル)→ ②アベンジャーズ→③ウルトロン→③アベンジャーズ→③ビジョン→④サノス

登場作品:①『アベンジャーズ』、②『キャプテンアメリカ/ウィンター・ソルジャー』、③『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、④『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』

セプターと呼ばれる杖の先端、青い宝石の中に隠されている黄色の石。思考・精神を司る。人の心を操ったり、意識や潜在能力の強化する力がある。また高度なプログラム構造を形成するこのストーンは人間の心や頭脳に似た動作を行うことが出来る。

■リアリティ・ストーン(赤)

外殻:エーテル (Aether)

所有経緯:①マキレス→①ポー王→①ジェーン→①マキレス→ ①アスガルド→①コレクター→②サノス

登場作品:①『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』、②『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』

エーテルと呼ばれ、真紅の液体のような物質で唯一石の形状でないインフィニティ・ストーン。現実を司る力を持ち、その者の現実を歪め、望む現実をつくり出すほどの力をもつ。

■タイム・ストーン(緑)

外殻:アガモットの目 (Eye of Agamotto)

所有経緯:①カマー・タージの書庫→①ドクター・ストレンジ→②サノス

登場作品:①『ドクター・ストレンジ』、②『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』

魔術師の初代アガモットによって作られた「アガモットの目」の内部に収められている緑色の石。
時間を司り、時間の流れを逆行・停止・進行させるパワーをもつ。手に入れたサノスは時間の逆行を利用してヴィジョンからマインド・ストーンを奪い取る。また所有者だったストレンジは、1400万605通りの可能性からサノスに勝てる未来を探るため時を超える力を利用した。

■パワー・ストーン(紫)

外殻:オーブ (Orb)

所有経緯:①惑星モラグの寺院→①ピーター・クイル→①ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー→①惑星ノバ→②サノス

登場作品:①『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、②『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』

オーブと呼ばれる球体の中に納められている紫色の石。力を司り、使用者に全てを破壊する程の無限の力を与え、身体能力を大幅に強化する。その強大なエネルギー故に、普通の人間は接触しただけで消滅してしまう。神との混血であるピーター・クイルだけは素手で持つことが出来た。所有したサノスはハルクのパワーをも凌駕する。

■ソウル・ストーン(橙)

外殻:不明

所有経緯:①レッドスカル(惑星ヴォーミア)→①サノス

登場作品:①『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』

魂を司る力を持つ橙色の石。インフィニティ・ストーン中で特別かつ最強な力を持つと言われているが、その力は未知数で謎が多いストーン。また、ストーン自体に意思と知恵があり、最適な持ち主を望んでいるという。またストーンの内部には、異世界が存在しているらしい。

■インフィニティ・ガントレット

インフィニティ・ストーンの力を最大限に発揮できるサノスの左手にはめられた金色のグローブ。各指の付け根と手の甲に6つのストーンを収容する台座がある(親指=タイム、人差し指=パワー、中指=スペース、薬指=リアリティ、小指=ソウル、甲=マインド)。強大なパワーを制御するため、ガントレットの素材はアスガルドの武器に使われている金属を使用(サノスは惑星ニダベリアのドワーフたちに作らせた。※ソーのハンマー“ムジョルニア”もニダベリア製)している。

 

これらの情報を知っているだけで、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の楽しみ方が全然違ったものになるのは間違いないでしょう。

インフィニティ・ストーン争奪戦の末、サノスはすべてのストーンを手に入れ、全世界の半分の生物を消滅させてしまう。アベンジャーズのメンバーも半数以上が消滅してしまう。そして本作の続編が、2019年5月の公開を待っている。待ち遠しい限りです。