ザ・ゴールデンヒストリー
ザ・ゴールデンヒストリー

大きなショッピングセンター内の大型書店、仕事でまわった地域の大きな書店などなど・・・、何件の書店を探し廻ったかなぁ?結局は「きっとここにも無いだろうなぁ。」って思っていた、地元のレンタルDVDショップの書籍売り場に有りました。

最近において、こんなに探し回った本は珍しかった。ラジオでは、「都内の書籍では平積みされている」とか言ってたので、すぐに購入できるだろうとタカをくくってた。都内と地方では温度差があるのか?書店の入荷数が圧倒的に少なかったのか?とにかく見つけた時には「やったぁ!」って思わず心の中で叫んでいました。

その書籍のタイトルは、「人の数だけ物語がある ~ゴールデンヒストリー朗読CDブック~」

あるラジオ番組の人気コーナーから生まれた本です。

大竹まことと9人の構成作家が綴る市井の人の実話

「人の数だけ物語がある ~ゴールデンヒストリー朗読CDブック~」

この本は、平日午後1時から文化放送(ラジオ)で放送されている「大竹まことゴールデンラジオ!」の人気コーナー「日々、黄金の歴史あり ザ・ゴールデンヒストリー」という、毎日を必死に生きる市井の人々の物語を、パーソナリティの大竹まことさんが淡々と朗読する、「ながら聴き」していたらいつの間にか聞き逃してしまう様なコーナーから生まれました。

タイトルにも明記されているように、この本は朗読CDブック。16編の物語を本として読むか、CDで朗読を聴くか、それともCDで朗読を聞きながら本で活字を追うか?色々な楽しみ方ができる本ですが、僕的には是非、最初に「はじめに」と「おわりに」に目を通して頂くことをお勧めします。

この本の元になった「ゴールデンヒストリー」の製作にあたっての、大竹さんのこのコーナーに対する意気込みや、構成作家の苦労など、この作品の秘話の一部を知ることが出来る。感動必至の16篇の実話を読み進める中で、制作の裏側を知っていると、より興味深く楽しめる気がします。

切なくて心が温まる16の本当の感動物語

一同(放送作家たち)は慌てた。歴史上の人物なら幾らでも物語はあるだろうが、脚光を浴びることなく生きてきた方たちにドラマはあるのか。しかしやるしかない。・・・ちゃんとやらないと大竹まことが暴れる。・・・<中略>・・・(取材に赴くと)1時間の約束が4時間を超えてしまうことも時にはあるほど、内容は深かった。重さ、切なさに顔が上げられず、メモを取るのに集中しているふりをして暫く俯いていたこともあった。

引用元:「人の数だけ物語がある ゴールデンヒストリー」“おわりに”より

取材した放送作家はその過程で、ブラウン管を縦横無尽に暴れまくていたあの大竹まことは朗読中に、そしてリスナーも・・・、涙なくしては聴けなかった16編の本当にあった物語。

感動の実話だけど、さてどんな物語が収められてるのか?

<もくじ>

はじめに

第一章 日々を生きる

  • 東京にオリンピックが来た日
  • 町工場
  • 障がい者スポーツ
  • 星に願いを
  • 食べる、生きる
  • がんとともに生きる
  • 先生
  • スカイツリーの下で

第二章 時代を生き抜く

  • 熊本で生きる
  • 介護の日々
  • ハンセン病の回復者・私たちの終わらない旅
  • 故郷・浪江

第三章 戦争の記憶

  • 戦争孤児・帰る場所のない子どもたち
  • 沖縄の記憶
  • 広島・長崎 私は忘れない

特別収録

  • 鉄道少年

おわりに

冒頭でも述べた通り、この本には「毎日を必死に生きる市井の人々の物語」が16編収録されていますが、それぞれにフィクションにはないパワーを実感することが出来ます。まさに事実は小説より奇なりです。それぞれの物語に感動スイッチがあり、感動スイッチがONになる場所は人それぞれ。でも必ず「切なくて心温かくなる」感動スイッチが入るに違いありません。

僕的に感動したオススメの物語は、小児がんと闘う親子の物語「がんとともに生きる」、余命いくばくもない電車好き少年の願いが叶った奇跡の物語「電車少年」。この2編は読んでいて途中から活字が涙でにじんじゃいます。また、震災のトラウマと闘う「故郷・浪江」、「第三章 戦争の記憶」の3編に関しては、切なさというか、身につまされる思いなります。

大竹まことが朗読しています

付録のCDを聴いてみる。

「東京にオリンピックが来た日。・・・オリンピックの聖火は、ギリシャから開催国に空輸されます。・・・昭和39年・・・。」と、静かなピアノの旋律をバックに低い声で物語が読み上げられる。

この朗読の主が、ゴールデンラジオのメインパーソナリティ「大竹まこと」である。

大竹さんの朗読は、その声に目立った感情の抑揚は無く、淡々と物語を読み進める。唯一の特徴を挙げるなら「間」である。淡々と読み上げる中に挿入される「間」が物語を実に効果的にひき立てる。

構成作家の役目は本来、台本の構成だったり、新コーナーを考えたりすることだ。この文章作りは、いつもの役目とは違う。しかし、皆よく耐えて取材を繰り返し、良い文を書いてくれた。皆の書いた文章に、今度は私が何度も声を詰まらせ・・・。

引用元:「人の数だけ物語がある ゴールデンヒストリー」“はじめに”より

「間」の中には、大竹さんの声の詰まりも含まれているかもしれない。それが逆に生々しく朗読を聴く僕たちの心を揺さぶるのかもしれない。

読んでから聴くか?

聴いてから読むか?

それとも、聴きながら読むか?

切なくて心温まる16の本当にあったお話・・・目から耳から味わってみては?

P.S.「大竹まことゴールデンラジオ!」

この本に収録され散る物語は、文化放送の人気番組「大竹まことゴールデンラジオ」(月曜日から金曜日の13:00~15:30放送)のコンテンツの中のひとつ「日々、黄金の歴史あり ザ・ゴールデンヒストリー」から生まれたもの。2007年の番組開始からスタートしたこのコンテンツは、途中約5年間のお休みを経て、2015年の9月からリスナーの強い要望を受けて2015年の9月から再開。5年間にわたって「切なくて、そして心温まる本当にあった物語」を紹介し続けています。

また、この番組の冒頭20分から30分間はフリートークが設けられていて、大竹まこと、各曜日パートナー、太田英明アナウンサー、サテライトサポーターで、近々に起きた出来事やよもやま話を好き勝手にしゃべり倒す。そしてフリートークのラスト5分から10分間は、時事問題を大竹まことが、庶民感覚をもった独自目線で斬っています。(僕はこの冒頭30分が最も好きかも^^)

こちらのラジオも良かったら後一聴を。