CINEMA
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2018年1月と2月に観た映画のまとめレポートをアップします。以前にも書いたと思いますが、自己のライフログ的な備忘録を兼ねているので・・・とりあえず。

ということで2か月間で計6本。

  • キングスマン:ゴールデンサークル(2018,1,7 シネマサンシャイン土浦)
  • マジンガーZ INFINITY(2018,1,13 USシネマつくば)
  • ジオストーム(2018,1,19 シネマサンシャイン土浦)
  • 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章 天命篇(2018,1,28 MOVIX柏の葉)
  • デトロイト(2018,2,3 MOVIXつくば)
  • グレイティスト・ショーマン(2018,2,25 シネマサンシャイン土浦)

洋画4本、アニメ2本。

1月に観た映画

キングスマン:ゴールデンサークル

レビューあります→

映画『キングスマン:ゴールデンサークル』英国紳士アメリカへ行く!

マジンガーZ INFINITY

 

簡単なあらすじ

学者となった兜甲児は、富士山麓の光子力発電所に勤めていた。Dr.ヘルの脅威は去り、世界は平和を取り戻したかに思われたが・・・。

しかしそんな時、アメリカの光子力発電所が襲撃にあう。剣鉄也はグレートマジンガーで応戦するが戦況は劣勢、剣鉄也はグレートマジンガーごと行方を眩ませてしまう。そして襲撃したのは滅びたはずのDr.ヘル率いる機械獣軍団だった。

時を同じくして日本の光子力発電所の地下で、人知を超えた巨大魔人を発見、甲児が調査していると、巨大魔神から女性の人型アンドロイドが出現。甲児はリサと名付け、巨大魔神をマジンガーインフィニティと名付ける。甲児は光子力発電所の所長でもある恋人のさやかと共に、インフィニティと復活したDr.ヘルに関して原因を探りはじめる。そんな時インフィニティに活動反応が現れ、そして同時に大量の機械獣たちが光子力発電所へ押し寄せてきた。

インフィニティを操っているのが誰なのか? そして甲児が見たものは拘束された鉄也とグレートマジンガーだった。なんとDr.ヘルはグレートマジンガーを鍵として、インフィニティを操っていた。

想像を絶するインフィニティの力、その力は宇宙ごと世界を作り変えてしまうゴラーゴンというものだった。Dr.ヘルはゴラーゴンを起こす準備を始めて、光子力エネルギーをインフィニティに貯めはじめます。

またまた巨大な脅威に晒される世界。機械獣のたちの襲撃により、マジンガーZさえも窮地に落ちる。復活した甲児は、新たなマジンガーZでボスボロット達の協力を得てインフィニティに立ち向かっていく。死闘は続き迫りくる無数の機械獣を倒しながら。甲児はようやくDr.ヘルの元までたどり着く。

しかし、Dr.ヘルの力は強大であり、甲児はマジンガーZと共に瀕死の状態まで追い詰められてしまう。そしてとうとうDr.ヘルはインフィニティを操作し、ゴラーゴンを発動させてしまう。そして甲児とリサはゴラーゴンの力によって異次元の世界に飛ばされてしまう。

甲児たちが世界の危機を救うため死闘を繰り広げている最中、その戦闘を見守っていた世界中から甲児たちのもとへ光子力エネルギーを送り始める。甲児は現実に戻り、リサは一人異次元に残り世界中から集まる光子力エネルギーをマジンガーZに送り続けました。世界中のエネルギーを得たマジンガーZはどんどんと姿を変え、インフィニティをも超える力を持つ魔神へと変化する。そして甲児は世界中から集まった力を背負い見事、Dr.ヘルを倒すことに成功。また世界は平和を取り戻すのだった。

海の独断的独り言(評)

人が乗り込んで操縦する巨大戦闘ロボットの元祖、「マジンガーZ」が今の時代の解釈で劇場版としてカムバック。劇場を見渡してみると40代~60代の観客がとにかく多い。みんな懐かしさからの鑑賞なのか? 僕もそのうちのひとり^^。オリジナルは45年以上前、エンディングで映し出されるマジンガーZの透視図に胸躍らせたのを思い出しました。

主題歌は当然あの人。アニキこと“水木一郎”。ファンの期待を裏切りません。マジンガーZもグレートマジンガーもそしてイチナナ式という量産タイプのマジンガーもデザインが今風。ガンダムなどのロボットアニメに見慣れた輩にも違和感のない格好良さだ(機械獣はそのままってところがまたいい!)。

ストーリーの根幹は“勧善懲悪”だけど、今の世の中を反映しているメッセージもしっかりと含まれている。多様性によるマイノリティを否定するDr.ヘル、逆に多様性の可能性を信じる兜甲児。人種や性(LGBTなど)などの多様性が問題になる今を反映しているようだ。

幅広い年代に楽しんでもらえる極上の娯楽アニメだと思いますよ。

 

ジオストーム

レビューあります→

映画『ジオストーム』気象暴走という起こりそうな未来と恐怖

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章 天命篇

レビューあります→

映画『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第四章 天命篇』予想外の展開の連続に泣けたわ!

2月に観た映画

デトロイト

レビューあります→

映画『デトロイト』暴動の陰で起きたアメリカの闇

グレイティスト・ショーマン

 

簡単なあらすじ

貧しい家に育ったバーナムは、仕えていた名家の令嬢チャリティと結婚。二人の娘にも恵まれニューヨークでつましい暮らしをしていた。会社の倒産をきっかけに、バーナムは起業、世界中の奇妙なものを展示する「バーナム博物館」をオープンさせるが、客足は芳しくなかった。

その後、バーナムは娘のある一言をきっかけに、小人症の男、大男、髭の濃い女、全身刺青の男、結合双生児の兄弟など、陰で生きていた様々な人を集め、いわゆるフリーク・ショーのサーカスを始め、ショービジネスの道へと進む。ショーは大盛況なのだが、批評家や一部の市民には不快を与えていた。

その後、なかば無理やりにスカウトした劇作家のフィリップ・カーライルコネで、ビクトリア女王に拝謁する機会を得たバーナムは、オペラ歌手のジェニー・リンドと出会う。上流社会への仲間入りを目論んでいたバーナムは、彼女のアメリカ公演の成功を画策する。

ジェニーのアメリカでの初演は大成功。ジェニーに付きっ切りのバーナムは、次第に劇場の仲間との間に出来たミゾにも気が付かないくらい有頂天。しかしバーナム不在の劇場は次第に人気が落ちて行く。ジェニーの全米公演ツアーはその後も大好評を博するが、二人の感情のもつれから決裂、ツアーは途中で打ち切りになってしまう。ジェニーは最後の公演のラストにバーナムに当てつけの「別れのキス」をし、スキャンダルとなってしまう。

そんなある日、劇場が反対派との争いから放火され全焼、フィリップと有色人種のアニーが、意識不明で病院に運ばれる。そして災難は一つづくもので・・・、さらにバーナム邸は度重なる負債で差し押さえられ、妻のチャリティはバーナムに愛想を尽かし、娘たちを連れて実家に帰ってしまう。

全てを失い酒におぼれるバーナムだったが、ショーの仲間達の説得で初心に立ち返ることができ、自分自身が何を追い求めていたのかを思い出す。そしていまや団員たちにとって家族であり居場所となっているサーカスの再建を誓う。

フィリップもようやく回復。一方バーナムは去った妻を追い関係を修復する。サーカスの再建もフィリップの援助で野外のテントとして新しく蘇った。再開したサーカスは大きな成功を収め、フィリップはお互いに思いを寄せるアニーと結ばれる。バーナムはフィリップにショーマンの座を譲り、家族との時を慈しむのだった。

海の独断的独り言(評)

19世紀なかばのアメリカ。エンターテイメントがまだ上流階級だけのものだった時代、誰もが楽しむことのできるエンターテイメントを確立させた男がいた。彼の名はP・T・バーナム、伝説の興行師だ。

移民の国、人種のるつぼ、多様性とともに発展してきたアメリカ。しかしその陰では人種をはじめ様々な差別が横行している状況で、バーナムは多様性を逆手に取ったフリーク・ショーのサーカスの興行を始める。バーナムには社交界への仲間入りという野心があり、おそらく始めはマイノリティな団員達を野心の道具として利用していたのかもしれない(僕にはそうとって見れた)。劇中では最終的には、バーナムは彼らの為にサーカスの再建を果たすのだが・・・。

「グレイティストショーマン」は、社会から不当に差別される身体的特徴を、“ユニークな個性”として歌い上げるミュージカル映画だ。評論家の中には「偽善」などの批判もあがっていたが、そんな批判はどこ吹く風、公開直後から観客の共感を呼び大ヒット。

劇中では、髭女のレティ・ルッツ (キアラ・セトル)が作中の主題歌「THIS IS ME」で、「私たちの輝ける場所があるはず」「見られても怖くない。謝らない。これが私だから」と歌い上げ、彼らはステージでスポットライトと喝采を浴びる。マイノリティゆえに周囲から奇異の目に苦しめられてきた彼らの身体的特徴は、ポジティブなイメージへと転化されている。

 

自国第一の内向きで多様性を否定する気運が蔓延し始めている昨今。アメリカもトランプが大統領が当選して以来、イスラム教徒の入国規制や、人種問題(白人至上主義の台頭)など多様性の否定的問題が起きている。そんなアメリカで、この「グレイテスト・ショーマン」は生まれ、多様性を高らかに肯定していることが興味深い。はたして日本ではこういった作品を生み出すことが出来るだろうか?

日本において、奇形や異形とされ社会から不当に差別される身体的特徴をテーマとして扱った場合、おそらくカルト的な解釈になる傾向がある。エンタテイメント大作でマイノリティなテーマを正面から描くことは避けられてきたのも事実。「グレイテスト・ショーマン」の登場によって、今後はこういったテーマをエンターテイメントに昇華させた映画が日本からも生まれるかもしれないが、出来れば先陣を切って生み出すパワーが欲しかったと望んでしまう。今後の日本映画の広がりと深みを期待したい。