CINEMA
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2018年9月に鑑賞した映画のまとめレポート。9月は洋画2本、邦画1本。

  • 検察側の罪人(2018,9,1 シネマサンシャイン土浦)
  • アントマン&ワスプ(2019,9,8 MOVIXつくば)
  • MEG ザ・モンスター(2018,8,11 MOVIXつくば)

9月に観た映画

検察側の罪人

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映画『検察側の罪人』衝突する二つの正義

 

アントマン&ワスプ

簡単なあらすじ

1987年。ソ連の核ミサイル阻止のために量子単位まで縮小しこの世から姿を消したジャネット。夫のハンクと娘ホープは長い間、彼女の死を悼み続けていた。それから28年後、アントマンこと元泥棒スコットが、不可能と思われていた量子の世界からの帰還を果たす。それから3年間、ハンクとホープは量子世界からの生還を再現し、再びジャネットを取り戻すため研究に明け暮れていた。

「ソコヴィア協定」の賛否を巡って勃発した「アベンジャーズの内乱」で、反発するスティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)に加担したとして自宅に軟禁されていたスコットは、軟禁期間が終わりを告げる頃、量子世界の夢を見る。すぐさま絶縁状態だったハンクに連絡を取ったスコットは、ホープに外へと連れ出される。彼が見た夢とは、ハンクたちが作った量子トンネル起動の影響で流れ込んできたジャネットのメッセージだった。

スコットの軟禁によってFBIに追われる立場にあったハンクとホープは、ジャネット救出のためスコットとの絶縁を解消。量子トンネルの部品を入手するため、スコットとホープは闇ディーラーのソニー・バーチと対峙するが、バーチはFBIと内通し、彼らの研究成果を要求してきた。取引は抗争に発展、スコットはアントマン、ホープはワスプとなり、バーチたちを圧倒するのだが、そこに、ゴーストの様な奴が現れ、アントマンとワスプの妨害をする。その後ゴーストはハンクを襲撃、ブリーフケース大に縮小したラボを奪われてしまう。

ハンクはこの危機に、かつてS.H.I.E.L.D.でパートナーであったビル・フォスターを訪ねる。ビルの協力を得て、ゴーストの手からラボを奪還しようとしたその時、全員が返り討ちに遭い囚われてしまう。囚われた三人に、ゴーストことエイヴァ・スターは、量子実験に失敗によって両親を失い、その実験失敗の末に、自身の存在が不安定になってしまったことを告白する。そんな彼女を引き取ってくれたビルと協力し、ハンクの量子トンネルを利用して自身が抱える問題を解決しようとしていたのだった。その後アリの協力を得て、エイヴァを退けラボも奪還して脱出する。

量子トンネルを起動させた三人は、ついにジャネットの意識との再会を果たす。ジャネットは自身の正確な位置を教え、且つ救出のタイムリミットが2時間しかないと警告する。三人が準備を進める中、闇の売人バーチが動き出す。そしてバーチはスコットの友人ルイスから三人の居場所を聞き出す。バーチはFBIに通報、ハンクとホープは逮捕された上にゴーストにラボを奪取されてしまう。

が、スコットはアリと共に取調室に居たハンクとホープの救出に成功する。そしてラボの奪還をすべくスコットとホープはエイヴァを追う。そこにバーチ一味も加わり、サンフランシスコ市街地でのラボ争奪戦が繰り広げられる。すったもんだのドタバタ劇の末、スコット達は無事にラボを取り返し、そのチャンスにハンクが量子トンネルを用いてジャネットの救出へ向かう。さらにラボ争奪戦は続き、バーチ一味が港の遊覧船にラボをもって乗り込み逃走を図るが、巨大化したスコット(アントマン)によって争奪戦はジ・エンド。

一方、量子の世界に侵入したハンクはジャネット探し出し現実世界に連れ戻すことに成功する。がそこにエイヴァが現れる。エイヴァを見たジャネットは自身に蓄えられていた量子エネルギーをエイヴァに与え痛みをくみ取ると彼女身体は安定し本来の姿を取り戻すのだった。

その後、FBIを欺ききったスコットは軟禁から解放され、愛娘のキャシーとホープと・・・。ハンクとジャネットも人気のないビーチで仲睦まじく・・・。

月日は流れ、エイヴァの治療に必要な量子エネルギーを採取すべく、スコットは小型化した量子トンネルを使い量子の世界に侵入、しかし突如地上との通信が途切れてしまう。地上では、そこにいたはずのハンク、ホープ、ジャネットの三人の姿はなく、チリがただ舞うだけであった。それはサノスが指を鳴らしてインフィニティ・ストーンの力を発動させた為に起きた悲劇だった。

そして、スコットは量子の世界に閉じ込められてしまう。

海の独断的独り言(評)

マーベルの映画はいつもそうだが、前作を観ただけで次作を観ると、若干話が繋がらないことが多々ある。アベンジャーズも2作目の「エイジ・オブ・ウルトロン」から新作の「インフィニティ・ウォー」を、単に続けて観ただけでは話が繋がらない。(※「ドクター・ストレンジ」や「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」、「スパイダーマン/ホームカミング」、「マイティ・ソー」「ガーディアンズ・ギャラクシー」など見る必要がある)このアントマンも、間に「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」を観ておかないとしっかりと「なんでスコットは自宅軟禁しているのか?」という疑問が湧き、話が繋がらないのだ。おまけに「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」も観ておかないと、何故あんなエンディングを迎えたのかが全く分からないし、ワクワクもしないだろう。

シリアスなストーリーの「アベンジャーズ」に対して、それに関わるマーベルキャラクターの映画はシリアスとコメディが混題したストーリー構成の作品が多い。その中でも「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」とこの「アントマン」はコメディの割合が特に多い。今回の「アントマン&ワスプ」も笑えるエピソードが満載だ。

登場人物のセリフに散りばめられた笑い、飼いならされたアント(蟻)がスコットの部屋でドラムをたたいていたり(これがこの作品の最後のシーン)、スコットの悪友ルイスのボケに彩られた行動などなど、作品を通して退屈を覚えない。

まず間違いなくあるだろう「アントマン」シリーズとしての次回作への期待、はたまた「アベンジャーズ」の次回作へのこの作品がどう関わっていくのか、とにかく期待度があがる作品だ。

MEG ザ・モンスター

簡単なあらすじ

何者かの外部からの衝撃によるトラブルに見舞われた原子力潜水艦の救助にあたっていたレスキュー・チームリーダーのテイラーは、原潜圧壊の危機を前に、チームと乗組員を守るために原潜に残っていたメンバーを置き去りにする判断を下し、救命艇を発進させる。帰還後、「巨大な生物による攻撃を受けた」と主張するテイラーだったが相手にされず、責任をとってレスキューの職を辞めてしまう。

それから5年後。海上に建設された海洋研究所「マナ・ワン」ではジャン博士の指揮の元、マリアナ海溝の海底探査を行っていた。探査艇は海底とされている地点よりもさらに深層へ深く潜航し、未知の領域に到達する。その時、探査艇が巨大生物の攻撃を受け損傷、浮上できない状態に陥る。海上の「マナ・ワン」では、探査チーム救出のため、タイで暮らしているテイラーに助けを求める。「マナ・ワン」到着したテイラーだったが、ジャン博士の娘スーインが先行して救助に向かっていた。早速テイラーも後を追い探査艇の救助に向かう。海底に到着したスーインとテイラーは救助を開始しようとするが、巨大ザメが襲いかかってきた。そして彼らを襲った巨大ザメは、200万年前に絶滅したはずの巨大生物メガロドンだった。結局、テイラーの元妻ローリーとウォールを救出するも、トシは自らおとりになり探査艇に残りメガロドンの犠牲になってしまうのだった。

「マナ・ワン」ではチームはメガロドンの対策を講じていた。そこに「マナ・ワン」のスポンサーであるモリスがヘリで「マナ・ワン」に到着した。そしてモリスはメガロドンの生け捕りを命じるが、その恐ろしさを知るテイラーたちは生け捕りに難色を示す。

そのころメガロドンがテイラーたちの浮上経路をたどって深海の底から「マナ・ワン」近海に現れる。救難信号を受信したテイラーたちはメガロドンを殺すため出発、見事メガロドンを殺し「マナ・ワン」に曳航しようとするが、そこにさらに巨大なメガロドンが出現。テイラーたちの船に襲いかかり転覆させられ数人のクルーが犠牲となってしまう。重傷を負ったジャン博士も「マナ・ワン」に戻る途中で死亡してしまい、娘のスーインは落胆するのだった。その夜、「マナ・ワン」のスポンサーであるモリスは私欲にかられ単独で部下を引き連れてメガロドンの捕獲を実行するが失敗。モリスは食い殺されてしまうのだった。

メガロドンが船を急襲した際に仕掛けた発信器の情報で、テイラーたちはメガロドンが三亜湾に向かっていることを知る。そして三亜湾に現れたメガロドンは海水浴客たちを襲い出すが、テイラーたちの仕掛けに誘われてメガロドンは三亜湾の沖に向かう。テイラーとスーインは魚雷を使いメガロドンを殺そうとするが失敗し、テイラーの潜水艇が破損してしまう。テイラーは破損部分を使用してメガロドンの腹部を切りつけ、さらに銛でメガロドンの目を突き刺す。暴れるメガロドンはテイラーを振りほどき、そしてテイラーを襲おうとするが、その時、メガロドンが大量に流した血の匂いで集まってきたサメの群れによって襲われ、そして食い殺される。危機一髪テイラーはスーインと共に脱出し、近海にいたクルーザーに「マナ・ワン」のメンバーと共に救助される。

そして海に再び平穏が訪れるのだった。

海の独断的独り言(評)

サメの恐怖を描いた映画といえば、「ジョーズ」だ。43年前に当時最先端の特殊技術を用いて撮影され公開されたこの映画は大人気を博した。サメが迫る、そして獲物を追い詰めていくサメ目線のカメラワーク、それを何倍にも引き立たせる音楽など、僕らは心が震えてそして怖かった。それから時は流れ、SFXやらVFXやら撮影技術は格段に進歩した。「ジョーズ」に登場した10メートルを超える体長のホオジロザメよりデカい体長20メートルを超えるメガロドン。映像も迫るサメの迫力も恐怖も、格段にスケールアップしていいはずだ。

最新の映像技術を駆使した「MEG ザ・モンスター」は、確かに迫力もあり、メガロドンの動きもジョーズのホオジロザメと比較しても比較にならない。ただ、怖くない・・・全然。ドキッとするびっくりポイントも殆どない。(あるのかもしれないが感じない)

「ジョーズ」では、ロイ・シャイダー、ロバート・ショウやリチャード・ドレイファスなどの名優が普通の人間を演じ、勇気と使命感がサメと闘う武器だった。が、「MEG ザ・モンスター」では、主演のジェイソン・ステイサムがとにかくスーパーマンで、クライマックスではメガロドンとあり得ない格闘をやってのける。この現実離れは興ざめだ。

話題の残存古代生物「メガロドン」を扱って話題を呼んだだけに、ちょっと期待外れの作品だった。