テニスの今季4大大会最終戦、全米オープンは8日(日本時間9日)、女子シングルス決勝で世界ランク19位の大坂なおみ(日清食品)が元世界1位の女王セリーナ・ウィリアムズ(米国)に6-2、6-4でストレート勝ち。日本人史上初のグランドスラム優勝の快挙を成し遂げた。海外メディアも続々と20歳の新女王誕生を速報。「歴史を打ち立てた」「冷静さと優雅さ」「世代間激突で勝利」と次々に称賛している。
9月9日(日)の早朝に飛び込んできた心震えるハッピーなニュース。プロテニスプレイヤー・大坂なおみの、全米オープンでの優勝。この久しぶりの明るい話題、日本人初の歴史的快挙に連日報道は盛り上がってます。大坂なおみ選手おめでとう!あんたは偉い!
でも、こういった海外で大活躍するアスリートたちを取り上げる報道に、違和感を感じるのは僕だけなのだろうか?
オリンピック&パラリンピックメダリストの凱旋パレードでも格差
リオデジャネイロ五輪・パラリンピックでメダルを獲得した日本代表選手の凱旋パレードが7日、東京都中央区で行われた。体操の内村航平選手(27)ら計87人のメダリストが参加。沿道に集まった80万人(主催者発表)の歓声に車上から手を振って応え、4年後の東京大会に向けて飛躍を誓った。
平昌冬季五輪フィギュアスケート男子で66年ぶりの2連覇を達成した羽生結弦選手(23)のパレードが22日、地元の仙台市で行われ、沿道を埋め尽くした大勢の市民やファンが「勇気と希望をありがとう」と祝福した。主催した実行委員会によると観衆は10万8千人に上り、初の金メダルを獲得した4年前のソチ五輪後に行われた前回の約9万2千人を上回った。 パレードは市中心部の大通り約1.1キロのコースを約40分かけて進んだ。羽生選手はパレードカーの上から笑顔で手を振り続け、演技の決めポーズを見せて声援に応えていた。
二つの引用記事はオリンピック&パラリンピックメダリストの凱旋パレードを取り上げたもの。リオ五輪は87人のメダリスト、平昌五輪は20人のメダリスト(オリパラ合計)。リオの銀座凱旋パレードは実施されたけど、平昌の銀座凱旋パレードは実施されていない。メダル獲得人数の問題なのか?それとも費用対効果の問題なのか?
この扱いの差、おかしくない?
ソチと平昌フィギア男子で2連覇を成し遂げ、国民栄誉賞を受賞した“羽生結弦選手”に対しても、凱旋パレードは仙台のみ(宮城県主催)。羽生君だったらもし銀座で凱旋パレードやったら一人で30万人は呼べるんじゃない?(過大評価しすぎ?)
世界的メジャー大会で活躍する日本人プロアスリートの報道格差
大坂なおみの全米オープンテニス優勝から1週間を経て、TVではいまだワイドショーなどでは彼女のことを扱っている。彼女が優勝する4年前の全米オープンテニスでは、男子シングルスで錦織圭が準優勝。当時のマスコミの取り扱いも結構過熱気味だったことをおぼえている。それを受けてテニス人口が増えたくらいだ。
日本で人気のインターナショナルなスポーツと言えば、野球・サッカー・ゴルフ・テニス・バレーボールあたりだろうか、その他にも注目すべきスポーツは沢山あるけど残念なことに、日本では人気のスポーツ以外は、マスコミは滅多にスポットを当てない。(サッカーのW杯でさえ、昔は民法は知らんぷり、NHKでしか放送していなかった)あとは日本代表が出場する世界大会くらいか・・・。
フジテレビが放映権を持っていた、F1(モータースポーツ)やツール・ド・フランス(自転車レース)も視聴率の問題か地上波では観ることが出来ない。NFL(アメリカン・フットボール)やラグビーなども殆どBSでしか見ることが出来ない。関心の低さから露出度が低く、それがさらに関心を低くする。負のスパイラルだね。
テニスのメジャー大会と言えば
- 全豪オープン
- 全仏オープン
- ウィンブルドン選手権
- 全米オープン
ゴルフのメジャー大会では
- 全英オープン
- 全米オープン
- 全米プロゴルフ選手権
- マスターズ・トーナメント
他にもメジャーな大会はあるよ。
世界三大レース(モータースポーツ)
- インディ500(インディカー・シリーズ)
- モナコグランプリ(F1世界選手権)
- ル・マン24時間(FIA世界耐久選手権)
グランツール(自転車)
- ツール・ド・フランス
- ジロ・デ・イタリア
- ブエルタ・ア・エスパーニャ
世界三大スポーツイベント
- FIFAワールドカップ(サッカー)
- 近代オリンピック
- ラグビーワールドカップ(もしくは、F1世界選手権、ツール・ド・フランスなど)
などなど・・・、
これらのメジャー大会で優勝するのは至難の業。それゆえに今回の大坂なおみのように賞賛されて当然なのだが、日本でさほど関心のないスポーツに関しては、それがたとえ世界的メジャー大会での優勝であっても、翌日の報道こそあるが、大坂なおみやオリンピックのメダリストの様な待遇にはならない。
記憶に新しいところだと・・・、
インディ500マイルで日本人初優勝を果たした佐藤琢磨=2017年5月28日【EPA=時事】
3大自動車レースの一つ、第101回インディアナポリス500マイル(インディ500)は28日、米インディアナ州のインディアナポリス・モータースピードウエー(1周約4キロ)で200周の決勝が行われ、佐藤琢磨(ダラーラ・ホンダ)が日本人初優勝を果たした。
4番手でスタートした佐藤は、レースを通して上位をキープ。195週目でトップに立ち、逃げ切った。日本人の過去最高記録は、2003年の高木虎之介の5位だった。佐藤は8度目の出場。
佐藤琢磨のインディ500優勝の偉業は、その翌日に日本でも色々なメディアで報道された。がそれは長く続かず、その翌日にはもう一般のメディアではほとんど扱っていなかった。その後もちょくちょく扱っていたのは業界に関係する(自動車やモータースポーツ)メディアくらいだ。
インディ500で優勝するということは、ゴルフやテニスの四大メジャー大会での優勝と同じだ。ましてやモータースポーツは常に死と隣り合わせの危険なスポーツだ。マスコミはもっとその勝利の価値を伝えて欲しいなぁ。海外で活躍する日本人プロアスリート達はその価値を理解しているゆえに、錦織圭や田中将大たちは、佐藤琢磨の偉業に賞賛のメッセージを送った。それが日本の一般メディアでは報道の仕方なのか、人気の差ゆえなのか、賞賛のメッセージを送った側の錦織圭や田中将大のメッセージがクローズアップされてしまってたりする。なんとも悲しい現状だ。
凱旋パレードや伝える報道も、日本国内でメジャーなスポーツであっても、マイナーなスポーツであってもアスリートの健闘は分け隔てなく平等に賞賛して欲しいものです。