米トランプ政権は6日、内戦が続くシリアでアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、その対抗措置として、アサド政権軍の空軍基地に対してミサイル攻撃を開始した。・・・(引用元:毎日新聞DIGITAL)
7日の朝に飛び込んできた驚きのニュース。「やったちまったなぁ、トランプ」って感じでした。
シリアではこれまでも何度か化学兵器が使用してきて、2013年にも首都ダマスカス郊外で猛毒ガス「サリン」を使って攻撃、数百人の民間人が犠牲になった。
この時アメリカのオバマ政権は、議会でシリア空爆を主張。結局その時はアメリカの空爆による報復攻撃は行われなかったんだけど。
今回のトマホークによる攻撃は、オバマ大統領の時とは違い、議会を通さずに攻撃を開始した。トランプ大統領は、めちゃくちゃスピード感ある決断をしたわけです。
何故そんなに早い決断が必要だったのか?僕的には気になります。
今回のミサイル攻撃は、シリアの化学兵器使用に対する制裁が目的なんだけど、それだけが目的ではないように思えるんですよねぇ。もし制裁だけが目的ならば、攻撃を決断するまでにこんなスピード感は必要ないと思うんですが・・・。
でもトランプ大統領就任後、最近の世界情勢を思い起こすと、報復攻撃がなぜ今スピーディに行われたのかがわかるような気がします。(あくまで私説ですが・・・)
ちょこっと振り返ってみようかなっ。
わが日本のお隣、朝鮮半島では北朝鮮が相変わらずの駄々っ子を演じています。水爆実験を実行したり、今年に入ってからは3度のミサイル発射実験。また、金正男の暗殺を実行し、アジアに緊張感を高め世界中から非難を受けている状態。そして韓国では大統領が弾劾を受け、現在は元首不在という不安定な情勢。
また中国はというと、南シナ海を起点として人工島による軍事基地の建設、そして太平洋進出を窺っているわけで・・・。
そんな状況の中、米中首脳会談の開催。
マスコミの報道では、今回の首脳会談の争点は貿易摩擦不均衡の是正。そして北朝鮮の暴走阻止の要求という、この2点が争点。北朝鮮問題に関しては、「中国が北朝鮮に何らかの対策を行わない場合は、かわってアメリカが単独での行動も辞さない」という強い姿勢でのぞむようです。
そんな最中に起きたシリアの化学兵器使用疑惑。
2つの経済大国の重要な首脳会談が開催されるタイミングで普通なら、シリアへの制裁攻撃など首脳会談が終わって落ち着いてからでも遅くはないと思うのだけど・・・。「何か急いで決断しなければならない要素があったのか?」って疑ってしまう。そしてその要素とは?
それはやっぱり、目の前にいる中国・習近平だよね。
中国が、習近平がいる目の前でシリアへのトマホーク59発による制裁攻撃。そこに攻撃を決断する意義があった。大国中国に対して貿易不均衡是正や北朝鮮問題を優位に進めるために。
案の定、アメリカの今回のシリア報復措置に対して中国は、消極的な批判にとどまっている。また北朝鮮問題に対しても中国からそれなりの回答を受け取ったように思える。
また今回の報復攻撃は、北朝鮮の金正恩に対しても力の差を・・・、かなりのインパクトを与えたように思われる。
とにかく今回のシリアの空爆による化学兵器使用は、グッドなタイミングで起きたことで、トランプはそれを最大限のチャンスとして活かしたのではないだろうか?(あくまで僕の偏見による私説ですから・・・)
こわいこわい・・・。