自民党が民主党から政権を奪還してからの国会が醜くて仕方ない。単刀直入に言うと、安倍政権の国会運営が酷過ぎるのだ。
日本国憲法 第四十一条
国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
これは日本国憲法が国会に関して規定する第4章の先頭にある条文。
ここでいう「国権」は、立法権・行政権・司法権の三権を指し、中でも主権者である国民の意思を直接反映する国会を最高機関として位置づけている。ただし、そこには三権分立の抑制が及ぶわけで、最高機関であっても好き勝手に運用できるものじゃない。
クローズアップするべき点は、「国会が最高機関なのは主権者の国民の意思を直接反映している」というところだ。
日本の民主主義は、選挙によって国民が選び意を託した国会議員によって行われる議会制民主主義だ。だとすれば、国会議員は投票された分だけの民意(票の重み)を背負っていることになる。当然、議員たちはそれを理解していると思うが、それぞれが民意を背負って行動しているのだろうか?
失言・暴言そして資質
LGBTに属する人々を「生産性がない人間」と言った議員がいました。健康増進法改正案の衆院厚生労働委員会で、受動喫煙対策を訴えた肺がん患者の方に「いい加減にしろ」と野次を飛ばした議員がいました。国民が感じる景気観に対し「感性の問題だ」言った阿呆な財務大臣もいました。あ、そういえばこのアホな財務大臣はセクハラの認識もズレてました、これも感性の違いですかね。前地方創生相が、アフリカに対し「あんな黒いの」と発言なんてのもありました。失言や暴言はまだまだいっぱいで枚挙にいとまがないです。
資質を疑ってしまう議員では、記憶に新しいところだと、東京オリンピックの予算を知らないオリンピック担当大臣。パソコンやインターネットなどITに全く疎いセキュリティ担当大臣なんてのもいましたね。実はこの二件は同一人物でした。その資質疑われても仕方ありません。
こういった議員さんは、自分が背負っている多くの国民の意思を自覚しているんでしょうか? 自覚があれば暴言や失言だって控えるだろうし、資質に関しても勉強を怠らないのでしょうか?
審議に時間をかけない国会
安保法改正案、特定秘密保護法案、最近では入管法改正案や水道法改定などなど、国会において十分な審議がされていないように思える。何でも時間をかければ良いと言う訳ではないけれど、傍で観ている僕らでも「ちょっと端折り過ぎじゃないかぁ?」と思ってしまう。
入管法改正案などは、一定の知識や経験を要する「特定技能1号」(通算5年まで)と、熟練した技能が条件で家族帯同を認める「特定技能2号」(在留期間更新可)という新たな資格を設けるわけなのだけど、受け入れる分野やその上限数などの詳細が改正案には明記されていない。それらの詳細は、法案が採決された後、法務省が年内にも策定する「分野別運用方針」などに委ねているからです。要するに具体的な内容がないままに、外殻のみの法案をきめてしまったわけです。このために、野党は「内容がすかすかで問題だらけの白紙委任法案だ」と批判、問題点だらけの欠陥法案なのです。
東京新聞によると、審議時間は15時間45分とされていて、このうち野党の議員が欠席した「から回し」を差っ引けば実質13時間程度にしかならない。国の将来を左右するかもしれないような重要法案なのだけど・・・。
閣議決定に重きを置いて、国会を軽視する与党。国会は機能不全を起こしているとしか言いようがない。
見えていないのか、無視しているのか?
失言や暴言を吐く議員。明らかに勉強不足な議員。このような輩はどんな自覚をもって国会に臨んでいるんだろうか? この人たちには自分に票を投じてくれた国民の姿が見えないのだろうか?
入管法改正案や水道法改正法案などは、国の将来を左右しかねないものなのだが、与党である自民党は審議時間を殆どかけずに強行採決で無理やり採決。中身のない法案に野党は「時間をかけて審議すべき」と抵抗したにもかかわらず・・・。全く聞く耳を持たなかった自民党は問答無用に押し切った。でも耳を傾けることをしなかった野党の議員ひとりひとりの背中にも、何万もの国民がいることはわかっているのだろうか? はたして見えているのだろうか? それとも無視しているのかなぁ? だよねー!じゃなきゃあんな強引なこと出来ないよねぇ。
とにかく議員さんには自覚してもらいたいよね。あなた方の背中は何万もの国民の意思が推していることを。そして無視だってできないはずだよ。いつかしっぺ返し喰らうぜ、安倍さんよ。