10月27日から公開の話題の映画「ブレードランナー2049」

1982年に公開されたハリソン・フォード主演の「ブレードランナー」から30年後の未来を描いた続編だ。

SFカルトムービーの雄として日本でも熱狂的なファン(僕もその一人^^)が多い作品だけに注目が集まっている。ストーリー的に難解なところもあり(その難解さは今回の2049にも引き継がれているそうです)、観るにあたって予習をしておこう!

まずは前作の「ブレードランナー」から

簡単なあらすじ

時は2019年、環境破壊により人類の大半が宇宙に移住する世界。そこで労働や慰安として従事するのは人間ではなく“レプリカント”と呼ばれる遺伝子工学によって開発された人造人間だった。奴隷として人間に従事するレプリカントだったが数年を経ることで感情が生まれ、一部のレプリカントは従事している人間に対して反旗を翻すことも多かった。対応策としてレプリカントには寿命が設けられていたが、問題は絶えなかった。そんなレプリカントを始末(解任)する任務を負うのが、専任捜査官ブレードランナーだ。

ある日ブレードランナーを既に退職していたリック・デッカードに召集がかかる。元上司のブライアンは、脱走して地球に戻ってきた4人(男性2人、女性2人)のレプリカントの始末を依頼(強制だが)する。デッカードは情報収集のためレプリカントの開発者タイレル博士との面会のため、タイレル社を訪れる。そこで出会った美人秘書のレイチェルをレプリカントだと見抜く、彼女は新世代の試作レプリカントだった。

デッカードは捜査を進めていき、一人、また一人と始末していく。そんな時タイレル社で出会ったレイチェルが脱走したとことを知るのだが、彼女はデッカードを頼って脱走したのだった。自分に芽生え始める未経験の感情に怯える彼女をデッカードは優しく抱きしめる。

タイレル博士とタイレル社の技師セバスチャンが、脱走したレプリカントのロイ・バティに殺害されたことをデッガードが知り、デッカードはセバスチャンが住んでたマンションを訪ねる。そこで脱走したレプリカントのうちの一人、プリス(女性の慰安レプリカント)を始末する。が、ロイ・バティが帰ってくる。ロイはその卓越した格闘能力でデッガードを追い詰める。必死に逃げるデッカードはビルの屋上で転落寸前の状態になった時、自らの寿命が到来したことを感じたロイに逆に助けられる。ロイはデッカードの前で笑みを自らが体験してきたことを話すと、笑みを浮かべながら命果てる。

自分のマンションに戻ったデッカードは、レプリカントであるレイチェルを連れて逃避行する。

原作はフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

その後のサイバー系SF映画に多大な影響を与えた設定

ブレードランナーの舞台は近未来(2019年)のロサンゼルス。だがその街並みの雰囲気は、タイムズスクエア?香港?新宿歌舞伎町?はたまた新橋の高架下?などなどがうまい具合に融合していて無国籍で多人種な社会を作り出している(強力わかもと・ゴルフ月品・日本の料理などの電飾は涙モノ)。挙句の果てに会話まで英語、日本語、中国語などが飛び交う凝りようだから(「二つで十分ですよ」「わかってくださいよ」と、デッカードと日本人のすし屋とのやり取りや、「何か変なもの落ちてたぞ」など繰り返されるわけのわからない日本語のガヤ)、当時の作品としては、もう脱帽モノだった。

また劇中に登場するクルマ、コンピューターのインターフェイス、室内インテリア、都市の外観、建築物やレプリカント判定装置(フォークト=カンプフ・マシン)など、未来的な中にどことなくレトロ感漂う様々なデザインは、インダストリアルデザイナーのシド・ミードによるもの。これらのモノすべてが、この後製作されるSF映画(特にサイバー系)に多大な影響を与えたのは言うまでもない。

「ブレードランナー2049」を観る前に観ておきたい3つの短編

「ブレードランナー2049」は、前作の「ブレードランナー」から30年の時を経た物語。製作配給のワーナーブラザーズとコロンビアピクチャーズは、この30年の間に起きた出来事を、本編とは別に3つの短編を架け橋として用意した。

  • ブレードランナー ブラックアウト2022
  • 2036:ネクサス・ドーン
  • 2048:ノーウェア・トゥ・ラン

以上の3タイトルがそれだけど、3編のうちのひとつ「ブレードランナー ブラックアウト2022」はアニメーション(他の2編は実写)。そしてこのアニメ作品の監督は「カウボーイ・ビバップ」「サムライチャンプルー」「残響のテロル」などで監督を手掛けた渡辺信一郎の作品だ。

とにかくこの3編の短編、非常によくできていて鑑賞前の予習ツールとしてもってこいです!

前作の「ブレードランナー」を観て、3つの短編(3編で約30分程度)を観て、そして今作の「ブレードランナー2049」観ると、よりストーリーを理解でき楽しめるのでは!!